2012年07月22日
子ども条例の制定を求める要望書(第2弾)提出開始です

子ども条例の制定を求める要望書(第2弾)
提出開始です
子どものびのびネットワークでは、平成24年7月20日(金)に、長野県の子ども条例制定を求める要望書を県知事と、健康福祉部こども家庭課へ提出しました。
この要望書は、子ども尊重の条例制定に盛り込んで欲しい内容について、現場で子ども支援を行っている団体の声を草の根で集めた条例案です。
要望書・条例案への賛同メッセージはひきつづき募集していきます。子ども尊重の輪が広がっていくことを願っています。
お問い合わせはブログ管理人のメッセージ欄か、要望書の末尾連絡先へお寄せください
m(_ _)m 「詳解 ながの子ども条例」
http://yokowari.naganoblog.jp/
===以下、要望書===
===以下、要望書===
2012年(平成24年)7月20日
長野県
知事 阿部守一 様
子どもの育ちを支えるしくみを考える委員会
委員長 喜多明人 様
子どものびのびネットワーク
代表 佐藤芳嗣
(連絡先は,末尾のとおりです)
要望書
第1 要望の趣旨
長野県は,「子ども条例」を制定し,子どもが安心して地域で成長できる長野県にして下さい!
第2 要望の理由
1 私たちは,長野県が初めて子どものための,子どもを中心とした総合計画「長野県子ども・若者応援計画」を作ることにとても期待しています。
2 私たちは,子どものための計画を作るにあたり,今,悩んでいる子ども,今,さまざまな暴力にさらされている子ども,今,誰にも相談できずじっと我慢している子どもに対して,大人が目をそらさず向き合うことができるようにしたいと思います。そして,私たちは,大人と子どもが共に協力して子どもたちが安心して住める地域を作りたいと思います。
3 子どもは,誰でも健やかに安心して発達成長していく権利があります。
社会や大人は,子どもの最善の利益を考え,子どもも大人と同じようにひとり一人が人間として尊重され立派な大人に成長し発達していくことができる社会や地域を作る責任があります。
4 そして,私たちは,長野県が総合計画を作るについて,子どもも大人と同じく人権の主体であり,子どもの最善の利益を尊重することを国連で各国が取り決めた「子どもの権利条約」の基本理念を取り入れた長野県の「子ども条例」の制定を強く願っています。
5 私たちが,長野県に「子ども条例」を制定してもらいたい理由は次の3つです。
① 子どもたちが抱えているさまざまな問題,例えば,子どもへの虐待,いじめ,体罰,性的虐待,発達障がいなどの障がいを持つ子どもへの差別,不登校,引きこもり,家庭環境を奪われた子どもの保護などは,長野県の各部門が個別的に対応するだけでは根本的に解決しません。これらの問題は,しばしば多くが重なっており,総合的に各部署が連携しながら問題を解決できる施策や制度が必要です。
また,被害者だけでなくいじめや体罰等を行ったり,人を差別する子どもや大人も大きな問題を抱えています。これら加害者側の問題も同時に解決しない限り子どもへの虐待や差別はなくなりません。
私たちは,長野県が「こども条例」を制定し,長野県の各部署が個々ばらばらに子ども施策を推進するのではなく,多くの問題を抱えている子どもたちや虐待する大人が置かれている状況を正しく見据えた総合的な施策を推進する必要があると考えています。
② これらの総合的な施策を推進するには,子どもを単に保護の対象とするだけでは有効な施策を実行することはできません。子どもも大人と同じ人間であり,人間としての尊厳や安全で健全な発達成長ができる環境を享受できる主体であることを,私たち大人や県を含む地域社会は,正しく理解する必要があると思います。また,子どもが成人したときに権利を正しく使うことができるためには子どものときから権利について学び,その権利を日々の生活の中で使っていくことが大切なのではないでしょうか。そして,私たちは,子どもの持っているこれらの権利を実現する責任が大人や社会にはあることを「子ども条例」で明確にする必要があると考えています。
③ したがって,長野県の「子ども条例」には,「子どもの権利条約」が決めている,子どもも大人と同じく権利の主体であること,あらゆる子ども施策が子どもの最善の利益を考えながら行われるべきであること,子どもにもその発達成長に応じて自らの意見を表明でき,また,子どもに関わるさまざまな施策に参加できる権利があることなどの基本理念を盛り込む必要があると考えています。
私たちは以上の理由で長野県が「子ども条例」を制定し,長野県の子どもたちが家庭や学校や地域で安心して生活し健やかに成長できることを強く希望します。
第3 条例に取り入れて頂きたい内容
1 子どもも人間として尊重され,人間としての誇りを持って生きていく権利の主体であることを明確にして下さい。
人は,一人ひとり,いろんな違いがあるけれども,誰でもが,大切ないのちを持っています。そして,人は誰でもが,その胸に,人間としての誇りと人間として尊重されるこころの力を持っています。私たちは,いのちの重さ,人間として社会や他者から尊重されることは,大人も,子どもも,みんな同じだと思います。
2 子どもへのさまざまな権利侵害などを禁止し,予防し,救済する制度を作って下さい。
私たちは,強い人から弱い人へ,大きい人から小さい人へ,大勢が少数の人の権利を,力の差を使って暴力などで侵害することを,絶対に許すことができません。
これらの暴力などは,子どものこころの力を奪ってしまいます。こころの力を奪われると,子どもは,悲しさ,辛さ,怒りの気持ちで一杯になってしまい,人間としての誇りをなくし,時には暴力を振るう大人や社会に復しゅうしようとさえします。
私たちは,子どもの気持ちを大切にし,子どもたちの生きる権利が当然に認められる長野県を作っていきたいと思います。
子どもの気持ちを大切にするということは,子どもが辛い時,困っている時,悲しい時,怒っている時,大人が子どもの気持ちを聞き,問題の解決へと共に歩むことだと思います。
子どもの持つこころの力を大人が信じ,もし,暴力などで子どものこころの力が奪われそうな時は,必ず子どもの相談に乗ることが必要であり,子どもが相談できる状況や制度,さらに子どもの権利を救済できる実効性のある制度を作ることが必要だと考えています。
3 子どもが安心して生きられる長野県を作っていくこと。
安心して生きられるということは,どの子どもにも,安心して生活すること,勉強すること,大人に守られること,友達とつながっていくことが保障され,育まれるということだと思います。大人や社会は,子どもが安心して生活できる家庭,学校,地域を作っていく責任があると考えています。
4 子どもたちは両親や社会の未来への希望であること。
子どもと大人は,未来をバトンタッチしていく,いのちのリレーの仲間なんだと思います。
子どもたちは,誰でもが,いのちをかけてお母さんから生まれ,両親,家族
,社会からかけがえのないいのちを尊重され,安全な生活の場を提供され,次の時代を作っていく未来への希望なんです。 子どもたちが,この世に生まれてきてくれたことを,両親や社会が感謝し,また,この世に生を受けた子ども達が,両親や社会にいのちをあたえてくれたことを感謝できる,そんな長野県に私たちはしたいのです。
(子ども条例に盛り込む具体的内容はまだ多いと思いますが,少なくとも,以上の内容を何らかの形で盛り込むことを希望します)
この要望書は,長野県に子どもの権利条約をモデルとした子どもの人権尊重の実効性ある条例が制定されることを目指して、子ども支援の活動をしている諸団体に所属する個人が結成している長野県「子どものびのびネットワーク」の責任で作成しました。
長野県内で,日頃から子どもたちのさまざまな問題に取り組んでいる下記の賛同団体が多数あります。
*~*~*~*~*~*~*~*
賛同団体及びおよび各団体のメッセージ・意見を下記に記載します。各団体のメッセージ・意見は各団体の意見です。
1 NPO法人ジョイフル
*ひきこもり、不登校、無業者支援
2 持続可能な松本平創造カンパニーわおん♪
*自然体験教室の運営を基軸に地域活性化事業に多面的に取り組む
3 NPO法人チーム青い空
*ハンディキャップを持つお子さんの保護者が園芸作業などに取り組む
4 NPO法人おはな
*知的障がい児・者と家族のサポート活動を行う。
5 Peerful(ピアフル)
*摂食障がいのコミュニティ活動
6 NPO法人長野サマライズ・センター
*聴覚障がい者支援活動
7 離婚後の子どもの権利を守る『親子ネットNAGANO』 代表 堤 則昭
親子関係・面会支援・子育て支援等、離婚と子ども各種相談
(意見)
離婚した両親の双方と子どもが面会交流できる制度の構築が求められます。
両親がやむなく離婚したとしても,両親により養育監護され,両親と面会交流できることは子どもの権利として認識されるべきです。また,さまざまな家庭環境の差による差別も子どもの権利の侵害として認識される必要があります。
8 「CAPながの」
(CAPながのからのメッセージ)
私たちは、あらゆる暴力から自分を守るための人権教育プログラムをワークショップ形式で、就学前~高校生の子どもたちに届けています。
子どもたちには「暴力に遭ったとき、『いやと言っていい・逃げていい・相談していい』」という選択肢を伝えます。
でもその選択肢を使うためには、まず「自分は大切」という気持ちが必要です。
子どもたちに「あなたたちは『安心・自信・自由』の人権(誰でもが生まれながらに持っている権利)を持っている大切な人だよ。だから暴力に遭ったとき、いろんな方法を使っていいんだよ」
ということをいろいろな劇を通していっしょに考えます。
子どもたちの感想には・・
・「自分の事を大切にしよう」という気持ちに電気がついていきました。
・自分勝手に「安心、自信、自由」の権利をもっていると、逆に相手をきずつけることもわかりました。
・とても楽しく人の気持ちをわからせてくれて、とてもうれしかったです。なので、これからも「安心、自信、自由」を心に持っていたいです。
・ひとりひとりがどんなに大事かを教われた。がまんしないで身近な人に相談できればしたいなと思った。気持ちを大切にしようと思った。
・イヤだったら「イヤ」ということも、すごく大切だと分かりました。断るのが苦手なので大変だとは思ったけど、これからは勇気をだして、断わってみようと思いました。
・ふだん、人にいやな思いをさせていた事に気付いた。自分では何気なく言っていたことが、人にとってはものすごく悲しい事だったんだと思った。
子どもたちは、自分に人権があると感じると、友だちにも同じ人権があると感じてくれます。
自分の気持ちも相手の気持ちも大切だと気付いてくれます。
自分勝手な権利を振りかざす子どもがいたとしたら、それは本当の権利を知らないからだと思います。
そういう意味でも「子どもの権利条例」は必要であると考えます。
9 チャイルドラインながの
(チャイルドラインながのメッセージ)
『子どもが安全に安心して健やかに育つ社会づくりのために』長野県子ども条例の制定をお願いします。チャイルドラインは『聴く』ことによって、子ども達が自分で考え、自分の道を切り開いていくことをサポートしています。
子どもの権利を尊重し、子どもの力を信頼し、子ども達がいきいきのびのび暮らせる長野県になることを願っています。
10 NPO法人 すわ子ども文化ステーション
代表 宮澤 節子
<子ども・子育て事業を通して見えてくる状況>
(1)チャイルドライン事業
電話での子どもの声
2011年長野県3団体で受けた電話件数 10,131件
内容: 人間関係での悩み、性への興味・関心・行動、身体に関する事、いじめ(上位項目)
○子どもたちは様々な悩みを抱えて生活している現状が見える。
・学校、家庭での人間関係が希薄になっている。
・友だちとの関わりについて、どう自分が対応して良いのか悩んでいる
・困った時、相談にいける場所や、相談したり話を聴いてくれる信頼できる大人が身近にいない。
・自分自身で問題を解決する力がない。
・性についての知識の不足、思春期における自分と他者との性的関係の誤った認識と行動。
・メディアからの情報の氾濫とメディア依存の現状。
(2)ファミリーサポート事業
・子どもを低年齢から預け、就労するケースが目立ってきた。
・1人親世帯、核家族世帯が増加し、子育ての孤立化が伺われる。
・一日のうち長時間預けるケースが増加している。
・育児に不安を持っている親も多い。
・親同士の助け合い、他者との関係が育っていない。
(3)表現活動「フィールド」(ミュージカル→ダンス・歌・芝居を通して自己表現力を育む)
・自分の気持ちをどう相手に伝えたら良いかがわからない。
・幼少期からの文化芸術にふれる体験の機会が少なく、創造性、表現する力不足を感じる。
・仲間で行動している中で、年数を重ねてもリーダー的存在が育ちにくい。
・日常の中で思いっきり遊んだり、泣いたり、怒ったり、感情を表現することが少なくなった。
<事業を通して思うこと>
子どもの主体性を大切にし、自ら育つための権利を保障する。
支援
・相談窓口→すべての子どもが知っている。
そのために→子どもの安心の場所。信頼できる大人。すぐに対応する
解決するために関係者が連携して話し合う仕組みを作る。
・小さい頃からの年齢にあった途切れのない人権教育と性教育の実施。
・環境改善への配慮(親支援を含む)
子育ち(子ども自身の力を育てる)
・あそび(異年齢での関わり、想像と実践を繰り返すことで、自分で行動し自ら責任を取ることを体で学ぶ大切な機会)を通して自らの体と心が育つ。そのことが、子どもの生きる力になる。
あそび場の確保。プレリーダーの養成。
・表現、創造性、心の育ち
集団での生の文化芸術鑑賞の機会を作る。
・表現活動の推進
○ 今子どもが安心して自信をもって自由に生きられる社会環境を実現するためには条例が必要であり、
実現するための具体的な取り組みが必要です。
11 お産を語る会 うむうむネット
あなたのお産はどんなお産でしたか?
うれしかったこと、悲しかったこと、学んだこと、目が開かれたことはありますか?
今でも心にひっかかっていることはありませんか?
今思い出すだけでも、幸せになれることは何ですか?
お産を語る会 うむうむネット は、お産の話がいつでもできる場所が欲しいという思いから生まれた、お母さんたちを中心としたグループです。
2005年から、ママさん、赤ちゃん、妊婦さんはもちろん、妊娠・出産に関心のある方が集まって、長野市内でおしゃべり会(井戸端会)を続けています。
http://umuumunet.jugem.jp/
umuumunet@gmail.com
<メッセージ>
お母さんのお腹の中で育まれる赤ちゃんの中には、お空へ還っていく運命の赤ちゃんもいます。障がいを持って、人一倍頑張って生まれてくる赤ちゃんもいます。すべての赤ちゃんがありのままで「おめでとう!よく頑張ったね」と祝福して迎えられる地域づくりが大切だと感じます。また、赤ちゃんを迎えたことで男性、女性が赤ちゃんを育む「お父さん」「お母さん」としての初めての一歩を安心して踏み出せる地域が大切だと感じます。
赤ちゃんそして子どもは、大人たちを成長させ、つなげていくすごい力を持っています。それは家庭だったり、サークルだったり、学校だったり、病院などの地域資源だったりするのですが、子どもが運んでくるご縁で社会がつながっていきます。
そんな、赤ちゃん・子どもたちの力が存分に発揮できる地域づくりのために、行政が赤ちゃん・子どもの最善の利益を最優先に取り組みやすくなるような仕組みづくり、条例づくりを願っています。
12 ながの不登校を考える県民の会(旧:長野県の不登校を考える県民のつどい実行委員会)会長の田村。
「ながの不登校を考える県民の会」からのメッセージ
子ども達の幸せな未来について、みんなで考えよう。そんな願いを持つ人々が集まり、不登校を考える県民のつどいを開催しています。子ども達が、本当にそれぞれの個性を活かしながら生き生きと笑顔で育ちあえる社会になるよう、心より願っています。
13 ながの子どもを虐待から守る会
(ながの子どもを虐待から守る会メッセージ)
子どもに対する虐待は、子どもが本来ならば一番守られるべき家庭の中で数多く発生しているのが現実です。
私たちは、子どもへの虐待を防止するための相談事業や研修・啓発事業を行っていますが、まずは親や子どもを取り巻く大人たちが子どもを自分のパートナーとして尊重する社会にすることが必要であると感じています。
そのためにも、子どもの権利を尊重しようという「子どもの権利条例」が必要であると考えます。
14 ブルースカイ(登校拒否を考える親と子の会)
登校拒否を考える親と子の会「ブルースカイ」からのメッセージ
私たちは登校拒否・不登校・ひきこもりの子どもたち、若者たち、親たちの安心・安全の居場所を作り続けて23年目になります。
様々な施策・支援がなされているにも関わらず、登校拒否・不登校・ひきこもりで苦しむ、子ども、若者、親たちは、後をたたずかえって深刻化しています。
いじめなど誰にも言えずに、命をおとしてしまう子ども、若者がいることはとても悲しいことです。
毎回子を亡くした親たちが言っている「二度とこんなことのないように」「我が子の尊いいのちを無駄にしないよう対応してほしい」と言ってきたにもかかわらず、また、起こってしまいました。
子どもは「学校にいくもの」「社会に出て自立するもの」という価値観が苦しめています。子どもたちや若者たちが、なぜ苦しく、辛くなっているのかを聴く耳をもたないわれわれ大人たちが、子どもや若者たちの為と言いながら、大人の価値観を押し付けていないでしょうか。
いじめられても、いじめられても無理して学校に行きつづけて、大事な命を絶ってしまった子どもたちから私たちは学ばなければならないと思っています。
悲痛な叫びともいえる遺書を残して、かけがえのない命を絶ってしまった、子どもたちの声をしっかり受け止め、大人のよかれと思う施策や支援ではなく、子ども主体の施策・支援、辛さを抱える子どもを守るためにも、学校に行かなくても安心できる環境を作る施策・長野県子ども条例の制定をお願いしたいと思っています。
長野県のかけがえのない子ども、若者、一人ひとり自分の命を大事に思い、自分らしく成長できる環境を願っております。
15 発達障害児・者及び家族支援の会シーズ
代表 武山 弥生
事務局 大木 斉
発達障害児・者及び家族支援の会シーズは2008年に発足した発達障害支援団体です。発達障害の理解と啓蒙、正しい知識の普及、そして発達障害児・者と社会の間の不調整を改善するために必要な支援を目的とし、教育・福祉・療育の専門家、研究者を中心とする支援者と当事者とで構成され活動しています。グループ名「シーズ」は英語でSeeds。種の複数形。地域社会に発達障害理解の種を撒き、芽を育て様々な資源を結びつけていくこと、種が育つ豊かな土壌を作ることが私たちシーズのミッションです。
近年、子どものいじめ、不登校・引きこもり、虐待などの問題には発達障害が関わっていることが多く報告されています。安全、安心な地域づくりのためには子ども達の健全な育ちを抜きに考えられません。発達障害児のよりよい育ちを支えるために、生活の場、子どものこころの支えの場の基盤である家庭の安定が重要となります。シーズは子どもとその家族を支援していくことで、安心・安全な地域づくりを目指しています。
多くの大人たちは、子どもたちのよりよい育ちを考えているはずです。しかし古い慣習にとらわれたり、根拠のない意見に惑わされ、知らず知らずのうちに子どもの権利を侵害している場合があります。わしたち大人が子どものためにしなければならないことの共通認識として「子ども条例」の制定を強く希望するものです。
16 子どもを虐待から守る会・まつもと
現在の日本の多くの子どもたちは日々の競争で神経をすり減らされ、ストレスを感じ、虐待や体罰で傷を受け、命さえも失い、暗い目・暗い表情をしがちです。一番輝く目を持ちうるはずの世代なのに。
輝きを取り戻すためには、あれもいけない、これもいけない、お前たちは大人の言うことを唯、唯、聞いていれば良いということなのでしょうか。
その原点を見つめなおして、どうすれば良いのか、ともに考えていきたいです。
(2012年〔平成24年〕7月19日現在)
この要望書についての連絡先
〒390-0861
長野県松本市蟻ヶ崎一丁目1番52号
子どものびのびネットワーク
事務局長 弁護士 上條 剛
TEL 0263-34-4466
FAX 0263-34-4467
2012年(平成24年)7月20日
長野県
知事 阿部守一 様
子どもの育ちを支えるしくみを考える委員会
委員長 喜多明人 様
子どものびのびネットワーク
代表 佐藤芳嗣
(連絡先は,末尾のとおりです)
要望書
第1 要望の趣旨
長野県は,「子ども条例」を制定し,子どもが安心して地域で成長できる長野県にして下さい!
第2 要望の理由
1 私たちは,長野県が初めて子どものための,子どもを中心とした総合計画「長野県子ども・若者応援計画」を作ることにとても期待しています。
2 私たちは,子どものための計画を作るにあたり,今,悩んでいる子ども,今,さまざまな暴力にさらされている子ども,今,誰にも相談できずじっと我慢している子どもに対して,大人が目をそらさず向き合うことができるようにしたいと思います。そして,私たちは,大人と子どもが共に協力して子どもたちが安心して住める地域を作りたいと思います。
3 子どもは,誰でも健やかに安心して発達成長していく権利があります。
社会や大人は,子どもの最善の利益を考え,子どもも大人と同じようにひとり一人が人間として尊重され立派な大人に成長し発達していくことができる社会や地域を作る責任があります。
4 そして,私たちは,長野県が総合計画を作るについて,子どもも大人と同じく人権の主体であり,子どもの最善の利益を尊重することを国連で各国が取り決めた「子どもの権利条約」の基本理念を取り入れた長野県の「子ども条例」の制定を強く願っています。
5 私たちが,長野県に「子ども条例」を制定してもらいたい理由は次の3つです。
① 子どもたちが抱えているさまざまな問題,例えば,子どもへの虐待,いじめ,体罰,性的虐待,発達障がいなどの障がいを持つ子どもへの差別,不登校,引きこもり,家庭環境を奪われた子どもの保護などは,長野県の各部門が個別的に対応するだけでは根本的に解決しません。これらの問題は,しばしば多くが重なっており,総合的に各部署が連携しながら問題を解決できる施策や制度が必要です。
また,被害者だけでなくいじめや体罰等を行ったり,人を差別する子どもや大人も大きな問題を抱えています。これら加害者側の問題も同時に解決しない限り子どもへの虐待や差別はなくなりません。
私たちは,長野県が「こども条例」を制定し,長野県の各部署が個々ばらばらに子ども施策を推進するのではなく,多くの問題を抱えている子どもたちや虐待する大人が置かれている状況を正しく見据えた総合的な施策を推進する必要があると考えています。
② これらの総合的な施策を推進するには,子どもを単に保護の対象とするだけでは有効な施策を実行することはできません。子どもも大人と同じ人間であり,人間としての尊厳や安全で健全な発達成長ができる環境を享受できる主体であることを,私たち大人や県を含む地域社会は,正しく理解する必要があると思います。また,子どもが成人したときに権利を正しく使うことができるためには子どものときから権利について学び,その権利を日々の生活の中で使っていくことが大切なのではないでしょうか。そして,私たちは,子どもの持っているこれらの権利を実現する責任が大人や社会にはあることを「子ども条例」で明確にする必要があると考えています。
③ したがって,長野県の「子ども条例」には,「子どもの権利条約」が決めている,子どもも大人と同じく権利の主体であること,あらゆる子ども施策が子どもの最善の利益を考えながら行われるべきであること,子どもにもその発達成長に応じて自らの意見を表明でき,また,子どもに関わるさまざまな施策に参加できる権利があることなどの基本理念を盛り込む必要があると考えています。
私たちは以上の理由で長野県が「子ども条例」を制定し,長野県の子どもたちが家庭や学校や地域で安心して生活し健やかに成長できることを強く希望します。
第3 条例に取り入れて頂きたい内容
1 子どもも人間として尊重され,人間としての誇りを持って生きていく権利の主体であることを明確にして下さい。
人は,一人ひとり,いろんな違いがあるけれども,誰でもが,大切ないのちを持っています。そして,人は誰でもが,その胸に,人間としての誇りと人間として尊重されるこころの力を持っています。私たちは,いのちの重さ,人間として社会や他者から尊重されることは,大人も,子どもも,みんな同じだと思います。
2 子どもへのさまざまな権利侵害などを禁止し,予防し,救済する制度を作って下さい。
私たちは,強い人から弱い人へ,大きい人から小さい人へ,大勢が少数の人の権利を,力の差を使って暴力などで侵害することを,絶対に許すことができません。
これらの暴力などは,子どものこころの力を奪ってしまいます。こころの力を奪われると,子どもは,悲しさ,辛さ,怒りの気持ちで一杯になってしまい,人間としての誇りをなくし,時には暴力を振るう大人や社会に復しゅうしようとさえします。
私たちは,子どもの気持ちを大切にし,子どもたちの生きる権利が当然に認められる長野県を作っていきたいと思います。
子どもの気持ちを大切にするということは,子どもが辛い時,困っている時,悲しい時,怒っている時,大人が子どもの気持ちを聞き,問題の解決へと共に歩むことだと思います。
子どもの持つこころの力を大人が信じ,もし,暴力などで子どものこころの力が奪われそうな時は,必ず子どもの相談に乗ることが必要であり,子どもが相談できる状況や制度,さらに子どもの権利を救済できる実効性のある制度を作ることが必要だと考えています。
3 子どもが安心して生きられる長野県を作っていくこと。
安心して生きられるということは,どの子どもにも,安心して生活すること,勉強すること,大人に守られること,友達とつながっていくことが保障され,育まれるということだと思います。大人や社会は,子どもが安心して生活できる家庭,学校,地域を作っていく責任があると考えています。
4 子どもたちは両親や社会の未来への希望であること。
子どもと大人は,未来をバトンタッチしていく,いのちのリレーの仲間なんだと思います。
子どもたちは,誰でもが,いのちをかけてお母さんから生まれ,両親,家族
,社会からかけがえのないいのちを尊重され,安全な生活の場を提供され,次の時代を作っていく未来への希望なんです。 子どもたちが,この世に生まれてきてくれたことを,両親や社会が感謝し,また,この世に生を受けた子ども達が,両親や社会にいのちをあたえてくれたことを感謝できる,そんな長野県に私たちはしたいのです。
(子ども条例に盛り込む具体的内容はまだ多いと思いますが,少なくとも,以上の内容を何らかの形で盛り込むことを希望します)
この要望書は,長野県に子どもの権利条約をモデルとした子どもの人権尊重の実効性ある条例が制定されることを目指して、子ども支援の活動をしている諸団体に所属する個人が結成している長野県「子どものびのびネットワーク」の責任で作成しました。
長野県内で,日頃から子どもたちのさまざまな問題に取り組んでいる下記の賛同団体が多数あります。
*~*~*~*~*~*~*~*
賛同団体及びおよび各団体のメッセージ・意見を下記に記載します。各団体のメッセージ・意見は各団体の意見です。
1 NPO法人ジョイフル
*ひきこもり、不登校、無業者支援
2 持続可能な松本平創造カンパニーわおん♪
*自然体験教室の運営を基軸に地域活性化事業に多面的に取り組む
3 NPO法人チーム青い空
*ハンディキャップを持つお子さんの保護者が園芸作業などに取り組む
4 NPO法人おはな
*知的障がい児・者と家族のサポート活動を行う。
5 Peerful(ピアフル)
*摂食障がいのコミュニティ活動
6 NPO法人長野サマライズ・センター
*聴覚障がい者支援活動
7 離婚後の子どもの権利を守る『親子ネットNAGANO』 代表 堤 則昭
親子関係・面会支援・子育て支援等、離婚と子ども各種相談
(意見)
離婚した両親の双方と子どもが面会交流できる制度の構築が求められます。
両親がやむなく離婚したとしても,両親により養育監護され,両親と面会交流できることは子どもの権利として認識されるべきです。また,さまざまな家庭環境の差による差別も子どもの権利の侵害として認識される必要があります。
8 「CAPながの」
(CAPながのからのメッセージ)
私たちは、あらゆる暴力から自分を守るための人権教育プログラムをワークショップ形式で、就学前~高校生の子どもたちに届けています。
子どもたちには「暴力に遭ったとき、『いやと言っていい・逃げていい・相談していい』」という選択肢を伝えます。
でもその選択肢を使うためには、まず「自分は大切」という気持ちが必要です。
子どもたちに「あなたたちは『安心・自信・自由』の人権(誰でもが生まれながらに持っている権利)を持っている大切な人だよ。だから暴力に遭ったとき、いろんな方法を使っていいんだよ」
ということをいろいろな劇を通していっしょに考えます。
子どもたちの感想には・・
・「自分の事を大切にしよう」という気持ちに電気がついていきました。
・自分勝手に「安心、自信、自由」の権利をもっていると、逆に相手をきずつけることもわかりました。
・とても楽しく人の気持ちをわからせてくれて、とてもうれしかったです。なので、これからも「安心、自信、自由」を心に持っていたいです。
・ひとりひとりがどんなに大事かを教われた。がまんしないで身近な人に相談できればしたいなと思った。気持ちを大切にしようと思った。
・イヤだったら「イヤ」ということも、すごく大切だと分かりました。断るのが苦手なので大変だとは思ったけど、これからは勇気をだして、断わってみようと思いました。
・ふだん、人にいやな思いをさせていた事に気付いた。自分では何気なく言っていたことが、人にとってはものすごく悲しい事だったんだと思った。
子どもたちは、自分に人権があると感じると、友だちにも同じ人権があると感じてくれます。
自分の気持ちも相手の気持ちも大切だと気付いてくれます。
自分勝手な権利を振りかざす子どもがいたとしたら、それは本当の権利を知らないからだと思います。
そういう意味でも「子どもの権利条例」は必要であると考えます。
9 チャイルドラインながの
(チャイルドラインながのメッセージ)
『子どもが安全に安心して健やかに育つ社会づくりのために』長野県子ども条例の制定をお願いします。チャイルドラインは『聴く』ことによって、子ども達が自分で考え、自分の道を切り開いていくことをサポートしています。
子どもの権利を尊重し、子どもの力を信頼し、子ども達がいきいきのびのび暮らせる長野県になることを願っています。
10 NPO法人 すわ子ども文化ステーション
代表 宮澤 節子
<子ども・子育て事業を通して見えてくる状況>
(1)チャイルドライン事業
電話での子どもの声
2011年長野県3団体で受けた電話件数 10,131件
内容: 人間関係での悩み、性への興味・関心・行動、身体に関する事、いじめ(上位項目)
○子どもたちは様々な悩みを抱えて生活している現状が見える。
・学校、家庭での人間関係が希薄になっている。
・友だちとの関わりについて、どう自分が対応して良いのか悩んでいる
・困った時、相談にいける場所や、相談したり話を聴いてくれる信頼できる大人が身近にいない。
・自分自身で問題を解決する力がない。
・性についての知識の不足、思春期における自分と他者との性的関係の誤った認識と行動。
・メディアからの情報の氾濫とメディア依存の現状。
(2)ファミリーサポート事業
・子どもを低年齢から預け、就労するケースが目立ってきた。
・1人親世帯、核家族世帯が増加し、子育ての孤立化が伺われる。
・一日のうち長時間預けるケースが増加している。
・育児に不安を持っている親も多い。
・親同士の助け合い、他者との関係が育っていない。
(3)表現活動「フィールド」(ミュージカル→ダンス・歌・芝居を通して自己表現力を育む)
・自分の気持ちをどう相手に伝えたら良いかがわからない。
・幼少期からの文化芸術にふれる体験の機会が少なく、創造性、表現する力不足を感じる。
・仲間で行動している中で、年数を重ねてもリーダー的存在が育ちにくい。
・日常の中で思いっきり遊んだり、泣いたり、怒ったり、感情を表現することが少なくなった。
<事業を通して思うこと>
子どもの主体性を大切にし、自ら育つための権利を保障する。
支援
・相談窓口→すべての子どもが知っている。
そのために→子どもの安心の場所。信頼できる大人。すぐに対応する
解決するために関係者が連携して話し合う仕組みを作る。
・小さい頃からの年齢にあった途切れのない人権教育と性教育の実施。
・環境改善への配慮(親支援を含む)
子育ち(子ども自身の力を育てる)
・あそび(異年齢での関わり、想像と実践を繰り返すことで、自分で行動し自ら責任を取ることを体で学ぶ大切な機会)を通して自らの体と心が育つ。そのことが、子どもの生きる力になる。
あそび場の確保。プレリーダーの養成。
・表現、創造性、心の育ち
集団での生の文化芸術鑑賞の機会を作る。
・表現活動の推進
○ 今子どもが安心して自信をもって自由に生きられる社会環境を実現するためには条例が必要であり、
実現するための具体的な取り組みが必要です。
11 お産を語る会 うむうむネット
あなたのお産はどんなお産でしたか?
うれしかったこと、悲しかったこと、学んだこと、目が開かれたことはありますか?
今でも心にひっかかっていることはありませんか?
今思い出すだけでも、幸せになれることは何ですか?
お産を語る会 うむうむネット は、お産の話がいつでもできる場所が欲しいという思いから生まれた、お母さんたちを中心としたグループです。
2005年から、ママさん、赤ちゃん、妊婦さんはもちろん、妊娠・出産に関心のある方が集まって、長野市内でおしゃべり会(井戸端会)を続けています。
http://umuumunet.jugem.jp/
umuumunet@gmail.com
<メッセージ>
お母さんのお腹の中で育まれる赤ちゃんの中には、お空へ還っていく運命の赤ちゃんもいます。障がいを持って、人一倍頑張って生まれてくる赤ちゃんもいます。すべての赤ちゃんがありのままで「おめでとう!よく頑張ったね」と祝福して迎えられる地域づくりが大切だと感じます。また、赤ちゃんを迎えたことで男性、女性が赤ちゃんを育む「お父さん」「お母さん」としての初めての一歩を安心して踏み出せる地域が大切だと感じます。
赤ちゃんそして子どもは、大人たちを成長させ、つなげていくすごい力を持っています。それは家庭だったり、サークルだったり、学校だったり、病院などの地域資源だったりするのですが、子どもが運んでくるご縁で社会がつながっていきます。
そんな、赤ちゃん・子どもたちの力が存分に発揮できる地域づくりのために、行政が赤ちゃん・子どもの最善の利益を最優先に取り組みやすくなるような仕組みづくり、条例づくりを願っています。
12 ながの不登校を考える県民の会(旧:長野県の不登校を考える県民のつどい実行委員会)会長の田村。
「ながの不登校を考える県民の会」からのメッセージ
子ども達の幸せな未来について、みんなで考えよう。そんな願いを持つ人々が集まり、不登校を考える県民のつどいを開催しています。子ども達が、本当にそれぞれの個性を活かしながら生き生きと笑顔で育ちあえる社会になるよう、心より願っています。
13 ながの子どもを虐待から守る会
(ながの子どもを虐待から守る会メッセージ)
子どもに対する虐待は、子どもが本来ならば一番守られるべき家庭の中で数多く発生しているのが現実です。
私たちは、子どもへの虐待を防止するための相談事業や研修・啓発事業を行っていますが、まずは親や子どもを取り巻く大人たちが子どもを自分のパートナーとして尊重する社会にすることが必要であると感じています。
そのためにも、子どもの権利を尊重しようという「子どもの権利条例」が必要であると考えます。
14 ブルースカイ(登校拒否を考える親と子の会)
登校拒否を考える親と子の会「ブルースカイ」からのメッセージ
私たちは登校拒否・不登校・ひきこもりの子どもたち、若者たち、親たちの安心・安全の居場所を作り続けて23年目になります。
様々な施策・支援がなされているにも関わらず、登校拒否・不登校・ひきこもりで苦しむ、子ども、若者、親たちは、後をたたずかえって深刻化しています。
いじめなど誰にも言えずに、命をおとしてしまう子ども、若者がいることはとても悲しいことです。
毎回子を亡くした親たちが言っている「二度とこんなことのないように」「我が子の尊いいのちを無駄にしないよう対応してほしい」と言ってきたにもかかわらず、また、起こってしまいました。
子どもは「学校にいくもの」「社会に出て自立するもの」という価値観が苦しめています。子どもたちや若者たちが、なぜ苦しく、辛くなっているのかを聴く耳をもたないわれわれ大人たちが、子どもや若者たちの為と言いながら、大人の価値観を押し付けていないでしょうか。
いじめられても、いじめられても無理して学校に行きつづけて、大事な命を絶ってしまった子どもたちから私たちは学ばなければならないと思っています。
悲痛な叫びともいえる遺書を残して、かけがえのない命を絶ってしまった、子どもたちの声をしっかり受け止め、大人のよかれと思う施策や支援ではなく、子ども主体の施策・支援、辛さを抱える子どもを守るためにも、学校に行かなくても安心できる環境を作る施策・長野県子ども条例の制定をお願いしたいと思っています。
長野県のかけがえのない子ども、若者、一人ひとり自分の命を大事に思い、自分らしく成長できる環境を願っております。
15 発達障害児・者及び家族支援の会シーズ
代表 武山 弥生
事務局 大木 斉
発達障害児・者及び家族支援の会シーズは2008年に発足した発達障害支援団体です。発達障害の理解と啓蒙、正しい知識の普及、そして発達障害児・者と社会の間の不調整を改善するために必要な支援を目的とし、教育・福祉・療育の専門家、研究者を中心とする支援者と当事者とで構成され活動しています。グループ名「シーズ」は英語でSeeds。種の複数形。地域社会に発達障害理解の種を撒き、芽を育て様々な資源を結びつけていくこと、種が育つ豊かな土壌を作ることが私たちシーズのミッションです。
近年、子どものいじめ、不登校・引きこもり、虐待などの問題には発達障害が関わっていることが多く報告されています。安全、安心な地域づくりのためには子ども達の健全な育ちを抜きに考えられません。発達障害児のよりよい育ちを支えるために、生活の場、子どものこころの支えの場の基盤である家庭の安定が重要となります。シーズは子どもとその家族を支援していくことで、安心・安全な地域づくりを目指しています。
多くの大人たちは、子どもたちのよりよい育ちを考えているはずです。しかし古い慣習にとらわれたり、根拠のない意見に惑わされ、知らず知らずのうちに子どもの権利を侵害している場合があります。わしたち大人が子どものためにしなければならないことの共通認識として「子ども条例」の制定を強く希望するものです。
16 子どもを虐待から守る会・まつもと
現在の日本の多くの子どもたちは日々の競争で神経をすり減らされ、ストレスを感じ、虐待や体罰で傷を受け、命さえも失い、暗い目・暗い表情をしがちです。一番輝く目を持ちうるはずの世代なのに。
輝きを取り戻すためには、あれもいけない、これもいけない、お前たちは大人の言うことを唯、唯、聞いていれば良いということなのでしょうか。
その原点を見つめなおして、どうすれば良いのか、ともに考えていきたいです。
(2012年〔平成24年〕7月19日現在)
この要望書についての連絡先
〒390-0861
長野県松本市蟻ヶ崎一丁目1番52号
子どものびのびネットワーク
事務局長 弁護士 上條 剛
TEL 0263-34-4466
FAX 0263-34-4467